採用試験に落ちた!
プログラマを辞めて埼玉県の教員採用試験を受けた最初の年、不本意ながらも採用試験に不合格となりました。
埼玉県の情報科の試験では、「ソフトウェア開発技術者」の資格、今で言う「応用情報技術者試験」を持っていると1次試験は免除になります。
今はどうかわかりません。2次試験から受けて倍率もそんなに高くなかったので、受かる気満々で北海道に遊びにいっていました。
今でも忘れない。根室の白鳥橋のふもとで当時愛用していたアドエスで結果を見て。まさか落ちるとは思っていなかったので軽くパニックでしたw
仕事がない!
どこの県もそうなのでしょうが、教員採用試験の合格発表は10月の中頃です。大学4年生のその時期まで必死に教員採用試験の勉強をして、教育実習があるからろくに就活もしていない。秋採用の数なんてたかが知れていますし、大手の就活は軒並み終了しています。
採用試験に落ちたら仕事が無い!
臨時的任用教諭(臨任)と非常勤講師
幸いなことに、埼玉県は教員が不足しています。もちろん教科にもよりますが、団塊の世代が退職している今、全体としては圧倒的に不足しています。
新規採用も増やしてはいますが、全然足りない。そこで、「臨任」と「非常勤」という制度があります。
調べてもどこにも載っていなかったのでちょっと解説しようと思います。
埼玉県の臨任教諭と非常勤講師について
ざっくり言うと、臨任は1年単位で契約が更新される「教諭」です。学校に配備される教員数にカウントされ、フルタイムの仕事があります。もちろんボーナスと退職金も出ます。給料も正規の教員と大差ありません。初任でも月20万程度は貰えます。
非常勤講師は、割り当てられた「授業のみ」を行う「講師」です。授業の持ちコマ数によって給料が変わります。50分で2500円ちょっとだったかな?週2時間の授業で月約4万円です。仕事は授業「だけ」であり、学校の運営や校内分掌、クラス経営にはタッチできません。
どっちがいいか
もちろんフルタイムで働ける臨任の方が良いでしょう。来年の採用試験に向けて実践的な勉強ができますし、面接で話せる武器も増えます。ですが、日々の雑用に追われ、採用試験の勉強ができない、という本末転倒な事態になることも多々あります。授業の準備をして、提出されたプリントやノートをチェックし、土日も部活、とかやっていると採用試験の勉強ができません。直前になって慌てて採用試験の勉強をやりはじめ、準備不足で不合格。今まで何人もそのような人を見てきました。
やる気があるのは大変結構ですが、物事の優先順位を考えなければなりません。まず考えるべきは「採用試験に合格する」ことです。定職に就くことが優先です。
臨任と非常勤、いつ決まるのか
この制度が大変お役所仕事的で、実に終わってる。おわっている。オワッテイル。
まず、非常勤の話が来るのは2月の上旬。県に登録していれば校長から電話がかかってきます。
学校では来年の授業数などをカウントし、不足分を非常勤講師で補います。
ちなみに、埼玉県の教員の標準持ちコマ数は16.5コマです。一般的に、1週間に16コマか17コマの授業を持ちます。多いと18コマ。
いま自分は1年生の授業を6クラス週2コマ、3年生の授業を2クラス週2コマ持っています。そうなると6×2+2×2で週16コマの授業時数です。
残りの時間には総合的な学習の時間とLHR、分掌の会議や委員会の会議などが入ります。
例えば、情報科としての総授業時数が20コマの場合、18コマは正規の教員が持ち、2コマを非常勤の先生に見てもらうことになります。
そういう情報は早い段階でわかるので、1月の末から2月の頭にかけて、非常勤講師を探すことになります。
問題は臨任の場合です。これは3月の中旬に決まります。県の人事課から電話がかかってきます。
何が問題か。上で書いたとおり、どうせやるならフルタイムの仕事の方が良い。でも、先に非常勤の仕事の話が来てしまう。しかも決まるのは3月の中旬。
もし話が無ければ4月から普通にニートです。フリーターです。教員志望の人間が4月からニート。フリーター。
それでいいのか
以下、間違った情報でした。「非常勤として確保した人間リスト」は存在するようです。臨任の話が来なければフリーターになるしかないです。実に終わっています。なので点数を取って合格してください。教員採用試験は点数至上主義です。
良いわけがありません。県庁にいる公務員のお役所仕事なんかに人生を左右されてはたまりません。まずやるべき事は、先に動いて有利な非常勤の話を複数確保しておいて、運良く臨任の話が来たら非常勤を断ると良いでしょう。
もちろん学校現場は混乱します。超混乱します。マジで超混乱。パニックですよパニック。もう一度非常勤講師を探さないといけなくなり、場合によっては時間割も最初から組み直しになり、考えるだけで死にたくなります。できればそんなふざけたことはやって欲しくない。校長からもメッチャ文句を言われます。
ですが、こういう「終わっている」制度なので、自分の身を守る必要があります。臨任の仕事が来なければその時点でプー太郎は確定なのですから。
…いや、ひょっとして、各学校から県の人事課に「非常勤として確保した人間リスト」が報告され、臨任候補から外れる、という可能性もなきしもあらず、ですが。。。
採用試験に落ちてもなんとかなる。
採用試験、とりあえず2次まで行ければ臨任の仕事は回ってくるでしょう。自分の場合、何度も何度も県の人事課の方に電話をしました。しつこいくらいに。何せ自分の人生がかかっていますから。諦めずに何度も採用試験を受ければそのうち受かります。この辺の記事を参考にしてください。
大変参考になりました、ありがとうございました。