前回に続き、2次試験編です。
自分の周りを見る限り、1次で落ちる人はとにかく勉強していません。仕事が〜部活が〜自分の時間が〜となんだかんだと理由をつけ、やらない。
その人の人生なのでなんでも良いのですが、このまま臨職や非常勤のままでいいのでしょうか。団塊が抜ける今がチャンス、というか今後子供が減り、財源も減り続けるのでどんどん公務員になるのは難しくなります。不況も脱却できないでしょうし。ここ2−3年がラストチャンスでしょう。
2次試験:記述試験と面接
- 専門試験 150点
- 総合読解 30点
- 面接 120点
- 個人面接
- 集団面接
- 集団討論
目標点数
300点満点のうち、7割の210点を取れば受かる、らしい。8割の240点あれば完璧です。
- 目標:総合220点
- 専門:120点 (8割)
- 読解:20点 (6割)
- 面接:80点 (7割未満)
2次試験対策
専門試験
筆記です。配点からわかるように、面接や読解なんかよりも、とにかく専門試験で点を取ることが重要。
面接の勉強と違って専門分野の勉強は楽しいので、ここで8割以上を取る勢いで。ここを取っておけば後が楽です。むしろここがダメだとかなり苦しい。面接で周りと大きく差がつくとは思えない。
自分は例によって無勉強でした。情報科は過去問も売ってないし、勉強のしようが無い。県庁のなんとか資料室に行って過去問をコピーさせてもらいましたが、年度によって作成者が違うのか全く傾向がつかめず。一発勝負をすることに決めた。
個人、集団面接対策
まずは敵の分析から
面接官はどのような人間か。
校長教頭などの管理職、教育委員会の人などの教育関係の公務員。一説には、企業の人事担当など部外者がいるらしいが、もしいたとしても数人です。そんな部外者に依頼するお金があるわけがない。
ぶっちゃけると、学校の管理職が多いです。彼らはタダで使えますから。教育委員会の中の人を土日に使うと休日手当が必要ですが、教員は休日に使役しても無料です。あとで勤務調整取っておいてね〜、で終わり。いや、いくらかは出てるのかも。でも「休日出勤は給料25%増し」とかは絶対にあり得ません。
で、学校の管理職はどのような人種かというと、立場上、とにかく上には逆らえません。さらに、公務員組織は官僚主義、社会主義で、そこにどっぷり浸かってきたような人たちです。前例主義、事なかれ主義の人たちが多い。もちろん最近はスーパーな管理職も増えましたが、本質はそんなに変わりません。
民間企業の面接官とは全然違います。同じテンションで行くと死にます。
面接では 何を聞かれるか。
要は、教員として採用されたらどうするか、何をするか、を聞かれる。ということは、とにかく建前を話さないと受からない。教員組織では奇抜な発想を持つ人間は求めていない。いかに「教員の常識」を知っていてそれを話せるか、がポイント。要は「偏っていない常識人」ですね。教員は「建前」を生徒に教える仕事なので、それを知らない、わかっていない人が教員になると大変困る。
また、~の場合どうしますか?系の質問は正解を覚えていないと正しく答えられない。
民間企業の面接とは全く違うものと考えた方が良い。
ではどうすればいいか。
採用試験の面接本を買ってきて、問題と解答を丸暗記する。聞かれる質問はそこまで多くありません。50通りくらい。面接も暗記科目です。その場で「正解」が出てくるわけがない。とにかく正解の行動を暗記する。
一通り暗記したら、知り合いにその本を渡して質問してもらう。スムーズに、まるで自分の意見のように答えられるまで反復練習。何度も言いますが面接も暗記科目です。自分の意見とか必要ないです。正解を覚えましょう。
志望動機は完璧な物を事前に用意しておく。自分の意見を言えるのはここくらいだと思います。それでも無難な動機に少しだけ自分の意見を混ぜる、程度がいいと思います。倒産しないから、とか安定しているから、ではどう考えても落ちますw
若さとか情熱、圧倒的な専門知識、とかを全面に押し出すとポイントが高いかもしれません。やる気と熱意にあふれる優秀な教員だな、と相手に思わせるような回答や演技を準備して、反復練習しておきましょう。その場では緊張してしまい絶対にうまくいきません。
回答を知らない問題を聞かれたら、とりあえず無難な回答、「周りの先生や管理職の先生方と相談をし、生徒のために親身に対応していく」みたいな回答をしておくと良い。すべての質問に完璧に答える必要はありません。そこそこで。ここは6割ちょっと取れれば良いのです。
集団討論対策
あまり話すな、ここは無難で良い、自分の意見は個人面接で話せ。と前任校の管理職から言われた。
ここが民間企業の面接と一番違うところ。それでは何のためにこの試験をやるのかは不明ですが、おそらく、この面接ではリーダーシップとかそういうポジティブな物は求めていない。いかに空気を読んで場を乱さないか、マイナス点を取らないか、が重要そう。協調性とかフォロワーシップとかそういうの。
テーマが出されたら、適当に教育に関係ありそうな内容に変換して、全体に受け入れられやすい意見を考え、ポイントを絞って短く話す。自分の意見を前面に押し出すとか奇抜な発想を披露すると死を招きます。
面接の最後にまとめ的な意見を、周りの人の意見を取り入れながら適当に話す。周りと同じ内容のまとめでも良いと思います。そこに少しだけ自分の意見を混ぜれば十分です。
この集団討論はくだらないのでそんなに配点高くないはず。
間違ってもその場の空気をひっくり返すような、前提を壊すような発言はしないこと。調子に乗って、そもそも論をふっかけたりや詭弁を弄すと最後の相互評価で刺されます。
こんな面接で頑張る必要はありません。ここは適当に流す、とはいえ緊張しますけどね(^^;)
集団面接対策
わざわざ平日の別日程で行うことを考えると、ここは結構重要なはず。
5人で面接を行います。相手は4人程度。若い人もいたので、人事課の人間もいるはず。平日だし。
ここは他者との差別化のポイントです。2次の倍率が5倍の場合、この中で受かるのは1人だけ。
つまり、この面接で合否を決める場合、少なくともこのグループ内で一番目立つ必要がある。
ここで暗記した教科書的な内容を話すだけでは突破は厳しいので、何か他者と差別化できることを話すべき。
自分の場合はデジタル教科書関連の話をした。他者と違うことを話すと、必ず食い付いてきます。
そこを上手く切り抜ければ、ポイントは高いです。
この面接はわりと一般企業の面接に似ていると思いました。「まともな、普通の面接」という印象です。
総合読解対策
これも論文の対策本を買ってきて内容を丸暗記。覚えるべきテーマはそんなに多くありません。10個くらい。学力向上、個性、いじめ、環境問題、コミュニケーション能力、生きる力、などなど。大きい本屋に行くと管理職試験用の面接対策本も売っているので、そういうのを暗記すると高得点が期待できますね。
文章を読んで、その内容を暗記したテーマにうまくつなげる。文章の内容もそんな難解な物は出ません。いくつかの教育課題が複合されているはずなので、事前に準備したテーマのうち、もっとも相応しいものにつなげる。
面接本や論文対策本にそれっぽいテーマが多く載っています。バックグラウンドにある思想とそれを具体化するための実際の行動を暗記しましょう。
使うテーマが決まったら、そこに向けて文章を要約する。この要約は一部分だけでかまいません。全文のあらすじを書く意味は無いです。
で、全体の文章の流れとしては、
- 文章を要約して、こういう課題がある、なので私は教員として生徒の~の力を伸ばしていく。
- そのために、まず、~をする、次に、~をする、最後に~をする。
- まとめとして、私はこういう生徒を育てていきたい。
みたいな感じで。テーマを暗記して、自分の定型文、テンプレートに落とし込めばそんなに難しくないです。
「具体的にどう行動するか」を書くとわかりやすい。抽象的な論文ではなく、具体的な行動が書いてある、読んでいて頭の中にイメージが沸くような文章の方が高得点を取りやすい。採点する人も、何十人分もの作文を読んでいるので、なるべくわかりやすい、イメージしやすい物の方が記憶に残りやすい。
まぁ、合格しても実際にやるわけではないので、建前を覚えてそれを書けば良いです。一般的にはこういう事をすると良いって言われているよね、みたいなことを暗記して書けば十分でしょう。ここも奇抜な事やあまり一般的でないことを書くとダメかもしれません。建前の一覧は管理職試験用の本が参考になりました。
また、その行動で生徒の力が伸びるのか?というのが採点者にぱっとわかる必要があります。
あとは、ひたすら書く練習をします。自分は1日5枚くらいのペースで書きました。試験までに50枚以上書いたと思います。ひたすら書いて、良さそうな物を管理職や知り合いの先生に見せて添削してもらいました。最初は恥ずかしいですが、ボロクソに言われるのにもそのうち慣れます。
2次試験結果
- 専門:110点
- 面接:95点
- 読解:30点
- 判定:2A
ここの内容を参考にしながら教採中学・理科を受けました。結果、無事に合格することができました!ありがとうございました!