Excelファイルをダウンロードできますのでご自由にお使いください。
readme.pdf(上と同じ物です)
学習指導要録をExcelで!
指導要録、困ってますよね?僕は困りました。あんなのをいちいち手書きするなんて終わってる。20世紀の仕事だ。
なので、電子化しました。ファイルを置いておくので参考にしてください。
もちろん所見の文例集も入っています。所見文例集だけ抜き出しても使えると思います。
え、手書きの方が心がこもってる?何言ってんだ、あんな誰も見ない書類を手書きにする意味は無い。ぶっちゃけ所見なんて一生懸命書いても誰が見るんだ。形式だけのお役所仕事なんてコンピュータにやらせればいい。その時間で部活やった方がよっぽど生徒のためになる。
仕様書
一応、ここに仕様書を載せておきます。上の「readme.pdf」と同じ内容です。
参考にした本
校務のシステム担当者は1冊持っておくと便利です。この本を参考にしながらこのシステムを作りました。成績処理にも使えるテクニックが満載です。
指導要録 電子データ化 仕様書
はじめに
以下の資料は、指導要録の電子化にあたり、その仕様や作成方針などを示したものである。主にメンテナンス担当者が読む事を想定している。
使用アプリケーションについて
使用するアプリケーションはExcel2010とした。理由は以下の通り。
- MySQLなどの本格的なデータベースでは保守が不可能なため、除外とする
- ACCESSも同様の理由で除外
- 使用する関数の種類や、将来的な互換性も考慮し、バージョンは2007ではなく、普及段階にある2010を利用する。2003での利用は仕様の対象外とする。
設計方針
設計にあたり、以下の事項に配慮した。
- メンテナンスが困難になるため、VBAの使用を禁止する。
- 外部データとの接続は禁止する。データ接続先のフォーマットが担保できないため。
- データと表示を分離させる。可能であれば、データ→加工データ→表示という形式を取りたい。
- 教育課程が変更になっても、柔軟に対応できるようにすること。
- 生徒の転学、退学もシステムの方で考慮する。
- 一般ユーザーでもメンテナンスが可能であるように、容易で簡素な設計を目指す。
- 今後、各種データが追加、拡張される可能性が高いため、容易に機能拡張ができるようにする。
データの持たせ方について
生徒のデータは全て1つのシートにまとめること。理由は以下の通り。
- データが追記され、拡張する可能性がある
- 複数のシートから横断的にデータを取得する方法が存在しない。VBAを使用すれば可能であるが、VBAで操作するデータのフォーマットが担保されないため、使用禁止
- 転退学する生徒が非常に多いため、生徒データの削除が容易にできるようにする。
表示テンプレートについて
Excelで各種帳票を作成する。文科省のテンプレートを参照。
運用について
業者に依頼する事が金銭的に不可能なため、教務部の誰かが頑張るしかない。ファイルは教員の共用ドライブに置き、パスワードをかける。共用ドライブの自動バックアップ機能に頼り、手動バックアップは取らない。
それぞれの様式の運用は以下の通りとする。
- 「学籍の記録シート」 これは表紙となる。入学後に厚紙に印刷し、3年間使い回す。
- 「総学」と「学習の記録」はわら半紙に毎年印刷し、古いものはシュレッダーにかけて廃棄する。
- 「修得単位数の記録」は転退学時、もしくは卒業時に厚紙に印刷し、保存する。
用語
「履修」…学年の最後まで在籍しており、授業に出ている状態。
「履修が認められない」…中途退学、もしくは法定欠時数オーバーの状態。
「修得」…履修が成立しており、評定が「2」以上のこと。
「履修が成立しているが、修得していない状態」…授業に出ているが、最終的な評定が「1」である状態。追認試験で落ちるか、そもそも追認試験を受けられない状態。
データについて
データは全て「生徒データ」シートに格納する。ここのデータを元に、各種帳票を作成する。
生徒1人に対し1行を割り当てる。また、この場所はデータが追記される可能性が高い。
保持するデータは以下の通り(詳細は実ファイルを参照)。
- 住所や保護者氏名などの表紙データ
- 最終的な修得単位数の記録(これは卒業時に出力する)
- 1年での履修、修得単位数
- 1年での評定
- 同様に、4年までの単位数と評定
- 学習の記録の「備考」。ここは追認での合格、履修単位数等を入力する
- 総学の記録、出席日数、所見、取得資格など
データの詳細に関して、注意すべき点を以下に示す。
住所や保護者氏名などの表紙データ
- 生年月日は入試の際に入力した方が良い
- 保護者氏名は担任が生徒カードをもとに入力、確認する
- 情報コースには「(情報コース)」と入力する
修得単位数の記録
生徒の最終的な取得単位数が入る。が、数式が入っているために入力する必要は無い。メンテナンス時の注意事項は以下の通り。
- 主に転学時に必要となる
- 情報コースと普通科と数式が違うことに注意!
- 上方にある科目名の下には単位数が入っている。情報コースは上段、普通コースは下段。
- 数式は以下の通り。解説はその下に記す。
=IF(AND(SUM(CK8,HK8,MK8,RK8)=0,SUM(EX8,JX8,OX8,TX8)=0),””,
IF(SUM(EX8,JX8,OX8,TX8)=1,”(“&X$5&”)”,
SUM(CK8,HK8,MK8,RK8)))- 一番上の行は、「何もデータが無ければそれは関係ないので空白を表示」
- 次は、「評定の合計が1ならば=単位を落としたら、括弧付きで単位数を表示」
- 最後の行は、普通に単位数を合計する。
- 欠時数オーバーの場合は、何も表示させない。一番上の行に該当する。
単位数について
1年で取得した単位数を入力する。ここには評定を見た数式が入っているため、特に入力する必要は無い。
- 修得単位数と同様に、科目の所に単位数を入れる。上段は情報コース、下段は普通科。
- 単位を修得しなかった所には「0」が入る。最終的に単位を落とした者、中途退学者もここには「0」が入るような数式が入っている。評定を見て結果を出力する数式が入っており、その説明は以下の通り。
=IF(FH83=””,””,IF(FH83<=1,0,IF(FH83>=2,CU$6,””)))- 評定が空欄なら空欄を表示
- 評定が1以下であれば0を表示
- 評定が2以上であればその評定を表示
評定について
評定を入れる。これは手入力。大ビラからのコピペ。注意事項は以下の通り。
- 履修が認められない場合は「0」を入力する。大ビラは空欄になっているので置換の必要がある。
(中途退学、もしくは欠時数オーバーの場合) - 履修は認められるが、修得が認められない場合は「1」を入力する。これは大ビラに入ってるので問題なし。
(追認で落ちた、追認すら受けられなかった場合) - 追認で上がった者に関して、「1」が「2」になっているかどうかを確認する。
- 大ビラからコピペする際に、データの整合性を確認すること。
学習の記録備考
備考には以下の内容を記す。
- 履修が成立していない場合、備考欄には何も書かない。(退学、欠時数オーバー)
- 修得が認められない場合、「1学年履修単位数 2単位」などと入力する。数式は以下の通り。デフォルトでこの数式がはいっている。修得単位が0の場合は何も表示させない。
=IF(FF202=1,”1学年履修単位数 “&WS$6&”単位”,””) - 追認で修得が認められた科目には「追認定による認定(1→2、平成25年3月19日)」と入力する。
これは手入力が必要。すごくめんどくさい。
総学の記録
総学の記録や所見などを入力する。入力事項は以下の通り。担任が入力するものにはアンダーランを引いた。
- 総学の評価。全員同じでも特に問題なし。事前に全員コピペすると楽ちん。
- 「部活」には所属部活、「部活2」には部長、副部長などを入力する。
- 委員会、委員長を入力。委員長のみドロップダウンで選択する。
- 「係」はHRでの係を入力する。
- 「内容」は、部活から係までの、何らかの活動内容を書く。
- 総合所見は「所見データ」シートより引っ張ってきている。数字を打ち込めば所見が出てくる。もちろん直接入力しても良い。
- 進路希望
- 取得資格は「日本語ワープロ検定2級(H20/2/13)」のフォーマットで入力する。商業科から出てくる?最大7個まで入力可。これも事前に入力し、担任にチェックしてもらう。
- 出欠統計。これは大ビラからコピペする。中退者の授業日数は要確認。10日以上の欠席には備考欄に「風邪、体調不良」と自動的に入力される。出席停止があった場合は「インフルエンザ○日」で統一される。ここは正確に入力する必要がないため、このような措置とする。
各種テンプレート内の処理に関して
「学籍の記録」シート
これは指導要録の表紙となる様式である。入学後に保護者のデータなどを入力した後、厚紙に印刷し、3年間使い回す。印刷後、HR担任の判子を押す。注意事項は特に無し。
このシートに学生番号を入れると、データがテンプレート内に反映され、そのまま印刷できる。
「総学ほか」シート
所見や出欠統計のための様式。単純にvlookupで取ってきているだけなので関数を読むこと。
「学習の記録」シート
毎年出力し、古い物は廃棄する。vlookupで参照しているだけなので読むこと。
生徒の状態により以下のように分かれる。
生徒の状態 | 評定欄 | 単位数欄 | 備考欄 | (補足) |
通常パターン | 2~5 | 単位数 | 空白 | |
1年での中途転学 | 空白 | 空白 | 空白 | 全て空白のまま送付 |
中途退学、または欠時数オーバー | 空白 | 0 | 空白 | |
履修が成立しているが、修得していない | 1 | 0 | 1学年 履修単位数○単位 | 追認を受けられない、追認で落ちた場合 |
追認で上がった場合 | 2 | 単位数 | 追認定による認定(H25/3/20) |
「修得単位数の記録」シート
卒業、または転学時に出力する。中途退学は白紙のまま除籍簿に保管する。
履修が成立しているが、修得していない場合、(単位を落とした場合)括弧付きで単数を入れる。
既知の問題
「修得単位数の記録」がうまく動かない。1年で辞めた場合は完璧に動作するが、複数年度に渡って履修する科目、たとえば保健や体育などについて、2年次、3年次に単位を落とした場合の処理が不明。要対応。
ま、普通の学校であれば生徒は辞めないからここまで複雑なシステムにしなくても良いと思いますけどね…