埼玉県とCoREFが推進する協調学習「ジグソー法」について一言

   

今週末は教員採用試験の2次試験ですね。頑張って筆記で点数を取ってください。それ以外に受かる方法はありません。

さて、県教委があちこちで宣伝しているこの「ジグソー法」について、現場の人間の感想を書こうと思う。
採用試験でもたぶん聞かれます。県教委が旗を振って普及させようとしているから。

協調学習とは何か

まず、最近の教育の流れとして、

一斉授業からの脱却

が挙げられます。ここポイントね。最近のトレンドなので面接で使ってください。
教員が前に立って、黒板に板書をしながら話をする、という授業形態を変えていこう、というわけです。

コミュニケーション能力の育成

まぁ、こう言っとけば誰も文句言わないよね、というお役所言葉です。コミュニケーション能力の育成。どこでも使えるマジックワードです。

この「コミュニケーション能力の育成」、具体的な方策として必ず上がるのは、「生徒同士で会話をさせればコミュニケーション能力がアップするに違いない!」という信仰に基づいた、会話を多く取り入れる活動です。

というわけで、協調学習とは、「生徒同士が教え合う」コミュニケーションを通して、みんなで「学びあい」をして、「単純な知識のインプット」ではない、「生きた学力」を身につけさせよう、という発想です。この辺のキーワードも県教委や管理職は喜びますね。

タブレットなどの導入

ヒトバシラー佐賀が導入して盛大に爆死してますが、最近はタブレットも話題です。黒板にチョークに書いて、それを生徒がノートに写す。もう21世紀だ、時代は変わった、21世紀型スキルだ、コンピュータを教育に活用だ、そのためには弊社のタブレットとソリューションが最適です、ちなみにお値段は6億円になりますお客様、受益者負担ということで全額を生徒保護者に負担させれば予算の確保は不要です!

という流れが一般的です。そもそも教員が使う気がないのに無理だろ。まずは職員室の環境を電子化してくれよ。

埼玉県と東京大学のCoREFが現地で検証実験をしている

現場の人間からしてみると、東大の教育学の研究者が、埼玉県の教育委員会の偉い人たちに取り入って、研究の実証実験をしている、ようにしか見えない。研究の実証データが欲しい東大CoREFと、何か新しい事をして手柄にしたい県教委の中の人、相互の思惑が一致した、という所だろう。詳しい導入の経緯はわからないけど、現場では「実験台にされている」感がすごく強い。

初任者研修では、この「ジグソー法」を用いた研究授業を強制させられる。県教委の言う事を聞く初任者に無理矢理やらせるわけですね。

現場の評価

まぁ、県教委もなんか新しい事やりたいんだろ、導入した人の手柄になるしな。というのが大方の見解です。

まず、このジグソー法には向き、不向きがある。全ての教科で取り入れさせたいみたいだが、単元や授業内容によってはかなり無理がある。「数ある授業法の一つ」として捉えるのであれば、そんなに悪い方法ではないと思うけど。

次に、時間が足りない。やってみればわかるが、50分の枠の中で全ての活動は収まらない。90分くらいあるとちょうどいいかも。

30年間以上推進し続ける気はあるの?

こんな記事を書いてますが、別に協調学習自体をDisってるわけではないです。超クソな方法、というわけではないですし、少しは何か得られる物はあると思っています。

俺がダメだと思っているのは、「あと3年も経てばなくなるんじゃねーの?」ってこと。

これを導入した県の人もあと何年かすれば異動になります。教育長も県教委の中の人もみんな入れ替わる。入れ替わると何が起こるかというと、「何か新しい事を始めたくなる」わけです。前任者の功績を継続するだけでは自分の手柄になりません。教育は結果がでるまでにすごく時間がかかるので、結果は求められません。「何か新しい事をした」という実績が高評価になります。

「次の人」になったら急に無くなる、という可能性が非常に高い。そんな政治ゲームにつき合う暇はありません。

本当にやるなら、最低でも20年くらい続けないと定着しないんじゃないかな。そんな息の長い教育政策なんて存在しないけどね。

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